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『Office 2004 for Mac』の検証を開始し始めて2週間余り。私の場合、毎日最低2〜3通は、「Word」や「Excel」、「PowerPoint」などの書類をメールで受け取るのだが、以前は多かった互換性のトラブルが、このところ間違いなく減ってきているようだ。互換性の問題は一言では語れるほど、単純なものではないが、前回の検証工房でもお伝えしたとおり、『Office
2004』をインストールすると追加されるフォントに、「MS Pゴシック」と「MS P明朝」が加わったことで、だいぶ互換性の問題が解決されている気がする。Windowsユーザがよく使うフォントなので、これでこれまでレイアウトが崩れない方が不思議なくらいだったが、今では「あれ、そういえば最近レイアウトがずれることが少なくなったなぁ」とトラブルがあったことを忘れてしまうくらい、快適に『Office
2004』を使いこなせている。
今回はその互換性の向上も含め、新たに「Excel 2004」と「PowerPoint 2004」に加わった機能を、前回の「Word 2004」に引き続き検証することにしよう。
[「ページレイアウト」機能で用紙設定の失敗激減]

世界中でもっとも多く利用されている表計算ソフトは、言いまでもなく「Excel」であろう。住所データのような一覧リストをはじめ、営業資料やアンケートの集計など、表やグラフを使うビジネス文書には欠かせないアプリケーションの一つだ。「Excel」はMac版/Windows版ともに、縦方向65536行、横方向2列、最大16,777,216コの「セル」上に、数字やテキスト、計算式などの情報を格納することができる表計算ソフドだ。複数のセルから構成される表「ワークシート」は、扱える範囲が四方に広大であるため、決められた用紙サイズに合わせて印刷するには、きちんとした手順をふまなければならなかった。例えば、取引先から送られてきた「Excel」ファイルをそのまま開いて印刷したら、とんでもない量の用紙を無駄遣いしてしまった経験はないだろうか。

Photo 01 |

Photo 02
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新しい「Excel 2004」には、従来の標準のワークシート型のレイアウトに加えて(photo 01)、「ページレイアウト」が加わった。「ページレイアウト」とは、「Word」や「PowerPoint」のように、「Excel」のワークシートを用紙設定どおりの印刷イメージのまま使えるレイアウトモードのことだ(photo
02)。これにより、これまでの印刷時に紙を浪費してしまうトラブルを回避することができる。「Excel」もついに、「WYSIWYG(ウィジウィグ)」環境を手に入れられるようになったというわけだ。WYSIWYGとは、「What
You See Is What You Get 」の略で、画面上のものがそのまま印刷されることを示す、コンピュータ用語だ。

Photo 03 |

Photo 04
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「ページレイアウト」を使うには、画面の左下の3つあるレイアウト切り替えボタンのうち真ん中のボタンをクリックするか、「表示」メニューから「ページレイアウト」を選択すれば、印刷のマージンも反映されたレイアウトに切り替えることができる(photo
03、04)。


Photo 05 |
レイアウト切り替えボタンには「ページレイアウト」の他に、従来型の「通常レイアウト」(photo 05)、改ページの状態を確認することができる「改ページプレビュー」(photo
06、07)の3つが存在する。もちろん作業途中での切り替えも可能なので、作業にあわせて、使いやすいレイアウトモードを選択しよう。

Photo 06 |

Photo 07 |
[より使いやすく画像も挿入できるようになったヘッダーとフッター]

印刷時に各ページ共通のページ番号や印刷日時などを挿入することができる「ヘッダーとフッター」機能も、「Office 2004」では高機能化された。設定も画面をダブルクリックするだけでツールバーを呼び出すことができる(photo
08)。ツールバーは左から、「文字書式の設定/ページ番号の挿入/ページ数の挿入/日付の挿入/時刻の挿入/ファイルバスの挿入/ファイル名の挿入/シート名の挿入/図の挿入/図の書式設定」の順番で、各ボタンをクリックすると選択されたヘッダー(またはフッター)に各情報が簡単に表示できるようになる(photo
09)。ここで最大のポイントは、従来扱えなかった画像データも、挿入することできるようになったことだ。各ページ共通の会社のロゴデータなどを挿入したい場合、重宝する機能といえる(photo
10、11)。
[新しい配色が加わり、表現力を向上したグラフ]


Photo 12 |

Photo 13
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従来、一度作成したグラフの配色や凡例の表示非表示などを変更する場合には、複数のステップを踏まなければならず、思いのほか時間を要したり、好みのグラフを修正できないことがあった。それを改善すべく「Excel
2004」ではグラフを作成すると、設定パレットに「グラフオプション」「グラフデータ」「グラフの色、線、および塗りつぶし」のグラフに関する設定項目が自動的に追加され、グラフのカスタマイズが簡単に行なえるようになった(photo
12)。また、新しく加わった「系統の色オプション」では、グラフの系統別に塗り分ける方法として「色で塗り分ける」以外に「濃淡で塗り分ける」や「グレースケールを使用」などが加わったほか(photo
13)、豊富なパターンの「配色」も加わり(photo 14)、グラフのバリエーションを増やすことが容易になった。また「グラフエリア」や「凡例」など、アンチエイリアスのかかったドロップシャドウや、グラデーションなどの効果も、設定できるようになり、誰でも簡単に美しいグラフを作成することができるようになった(photo
15)。

Photo 14 |

Photo 15 |
他にも「Office 2004」アプリケーション、共通の機能の「互換性チェック」を使えば、他バージョンの「Excel」と互換性もチェックでき、トラブルを事前に回避できる。「Excel
2004」から新しく機能に加わった、画像をヘッダー(またはフッター)に挿入できる機能は、他のバージョンの「Excel」は対応しないので、注意しよう。
[パワーアップした「PowerPoint 2004」のビジュアル機能]

「PowerPoint」は、テキストはもちろん図表やグラフなどのデータをスライドと呼ばれる画面に配置し、紙芝居の要領でスライド画面を切り替えていくプレンゼンテーションソフトだ。プロジェクターやプラズマディスプレイなどがあれば、PC上の画面をそのままスクリーンに投影することができるので、多人数でプレゼンテーションを行なう機会の多い学会や会議などでは「PowerPoint」も珍しくなくなってきた。「作るだけなら誰でもできる」化してきた「PowerPoint」に、隣の人とは違うかっこいいスライドを作成したい、といった、他との差別化を願うユーザも増えてきた。その要望を叶えるかのごとく、「PowerPoint
2004」は、豊富な「スライドデザイン」や「トランジション」、効果的な「アニメーションの設定」など、ビジュアル面を大きく強化してきたといえる。

Photo 16 |
「スライドデザイン」は、あらゆる背景のデザインの中から、自分のプレゼンテーションにあったデザインを選択すると、背景色や書式によって、文字色や書体を自動で設定してくれる便利な機能だ。書類を作成する前や、作成の途中でも「スライドデザイン」は変更できる(photo
16)。「PowerPoint 2004」には100種類の「スライドデザイン」が用意されているから、プレゼンのテーマに合わせてスライドのデザインを選んでみよう。

Photo 17 |

Photo 18
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スライドとスライドの場面転換を効果的に演出する「トランジション」にも、「PowerPoint 2004」からは、アップルの「Keynote」や「iPhoto」のスライドショーでもおなじみの「キュープ」トランジション他(photo
17)、様々なトランジションが追加されている(photo 18)。
従来複雑だった「アニメーションの設定」画面は、より直感的でシンプルなものに変更され、収録されるアニメーション数も219種類となった(photo 19、20、21)。

Photo 19 |

Photo 20 |

Photo 21 |
[今まで何故なかった!?画期的な「発表者ツール」]


Photo 22 |
「PowerPoint」をはじめとしたプレゼンテーションソフトは、作成したプレゼンテーションをパソコンのディスプレイ上にフルスクリーンモードで表示させる「スライドショー」という機能を持っている。パソコンにプロジェクターをつなげば多人数でも迫力のあるプレゼンテーションが行なえるだろう。ただし、これまでのプレゼンテーションソフトは、ミラーリングといい、パソコンのディスプレイ上の内容と、プロジェクターの画面上の内容は同じものが表示されていた。したがって発表者は、ノートパソコンの画面をみながら、プレゼンテーションを進めていくことになる。しかし新しく「PowerPoint
2004」に加わった「発表者ツール」という機能は、パソコンのディスプレイ上に、発表者がプレゼンをしやすいような内容の画面が表示できる。視聴者が観ているスライドの内容はもちろん、次に切り替わるスライドの内容も把握でき、スライドごとに保存できる「ノート」も、視聴者側にみせることなく発表者側のパソコンにだけ表示可能だ。加えてプレゼンテーションを開始してからの経過時間や、前後のスライドにもスライダーを使って素早く画面を切り替えることもできる。このような「発表者ツール」の機能が何故これまで存在しなかったのかと思わせるほど、画期的な機能といえよう(photo
22)。
[かゆいところに手が届く「スクラップブック」]


Photo 23 |
プレゼンテーションの作成には、テキスト以外にも、図表やグラフなどのあらゆるオブジェクトをふんだんに使用して資料づくりをするケースが多いはずだ。そんなときに便利な機能が『Office
2004』の共通機能として存在する「スクラップブック」だ。Windows版の『Office』には、複数のアプリケーション上でコピーした内容を、複数個保持できる、「Officeクリップボード」という便利な機能が存在したが、Mac版の「Office」には同様の機能は存在していなかった。今回の「スクラップブック」は、『Office
2004』のアプリケーション間であれば、テキストや図表、グラフなどの内容を格納でき、必要なとき必要なものを呼び出してペースト(貼り付け)することができる。ただ単に格納するだけでなく、作成したアプリケーションが何であるのか一目で確認することができ、さらに作成日や作成アプリケーション、「Entourage
2004」の「プロジェクトセンター」に登録している『Office』書類であれば、プロジェクト名からも格納した内容を検索することが可能だ。また、元ファイルにもリンクしているので、格納した内容の前後関係などを確認したいときに、とても役に立つといえる。この機能を使えば、「Excel
2004」で作成したグラフの内容をスクラップブック格納しておき、「PowerPoint」からグラフの内容を検索して、ペーストすることができるのだ(photo
23)。
さらに、他の『Office 2004』のアプリケーションと同様、「互換性チェック」を使って、他のバージョンの「PowerPoint」との互換性を確認でき、トラブルを回避することもできる。「PowerPoint」ファイルをやり取りする場合よくありがちだったフォントが原因で改行位置がずれてしまう問題も、事前に確認できるので、取引先へ資料を配布する際や、自分の普段使っているパソコンとは違うパソコンでプレゼンテーションを行なうときなど、恥をかくことなくプレゼンテーションに集中することができよう。
さて次回は『Office 2004』の最終回。今回のアップグレードでもっとも進化したともいえる「Entourage 2004」について徹底検証したいと思う。
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