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デジタルDIMEをご覧のみなさま、はじめましてエル渡辺です。検証工房の1コマで、ジャンルを問わずにマニアな製品・グッズをレポートしていきますので、よろしくお願いします!
[これって、通販のみじゃなかったの?]

さて、長年、一度はボーズサウンドを所有してみたいと思っていた私。日本初のアップルストア銀座店オープン初日に、『iPod 20GB』を購入したのきっかけに、今話題のノイズリダクションヘッドホン、ボーズ『QuietComfort2』も衝動買いしてしまいました
。
この『QuietComfort2』、価格は3万9800円。他の大衆向けヘッドホンと比べると少々高い。というかとても高い。しかも購入は、電話かネット直販のみ。「肝心のノイズリダクションを試せないのに、4万円もするヘッドホンを買うのか……?」とウジウジしていたら、な〜んと「AppleStore(Web)」で発見!「ってことは『アップルストア銀座』にもある?」と思い、即銀座直行!な、なんと。ありました。しかも『iPod』試聴用に相当数の『QuietComfort2』!直販のみなのになぜ?早速、フロアの店員さんに疑問をぶつけたところ、「どうやってなのか、アップルストアの担当者が仕入れてくるんですよ」だとか。後でいろいろ調べたみたところ、米国アップルと米国ボーズ社間のワールドワイド戦略で提携されているもので、直販商品を他の販売店で売るというのは非常に例外的なものだそうだ。都内のどの量販店でも扱っていない商品を揃えられるのも、米国アップル直営ならではの、強みだ。恐るべし「アップルストア銀座」。
そんなわけで『iPod』試聴用に展示されている『QuietComfort2』を早速試聴。……さすが、期待を裏切らない高音質の音だ。しかし、これでは他と比べてどれくらいイイ音なのかわからないので、聞き比べをすることに。展示用『iPod』を2台勝手に占有し、『QuietComfort2』と同じ曲をセレクト。同じくボーズの『TriPort』から同じ曲を流してみた。

Photo 01 |
結論から言おう。その差は暦然だった。いやもっとはっきり言えば、段違いに『QuietComfort2』の方がイイ。低音部から高音部まで締まりがあり、重低音も一段と重みのある柔らかい音なのだ。「同じボーズでもこんなに違うものか!」と感嘆してしまう。『TriPort』も決して安くない(販売価格1万9800円)ヘッドホンだし、密閉性も優れているはずなのに、はっきり言って『TriPort』が安っぽく聞こえる(photo
01)。ノイズリダクションシステムに魅かれて試聴したのに、試してびっくり。その音にこれまた惚れ直した。もちろん、その場でご購入〜!(試して気に入ればすぐに買えるところが、単なるショールームではない、「アップルストア銀座」のよいところでもあるのだ!)
[やっぱりボーズ。その技術はタダモノじゃないゾ]

一口にノイズリダクションといってもさまざまな方式/用途があるが、よく見かけるのはドルビーのノイズリダクションだろうか。最近では映画館の本編上演前に「DOLBY
DIGITAL SUERROUND・EX」、「DIGITAL dts SOUND」といったロゴマークを見ることが多い。一昔前はカセットデッキにドルビーBやドルビーCなどがいろいろあって、CDなんかの曲をテープにダビングするときはこだわった人も多いと思う。要するにノイズリダクションとは、テープを再生するときの「シャー」というノイズを低減させる技術で、録音するときに信号処理しておいて、再生するとき信号を分析してノイズ低減するシステムだ。しかしこのタイプのノイズリダクションは、録音時に生じるノイズを消すことはできても、もとの音の雑音までは消すことはできないのがネックといえば、ネックだった。
一方、『QuietComfort2』に採用されたノイズリダクションシステムは、「アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC: Active Noise Control)」と呼ばれている。では、アクティブ・ノイズ・コントロールとは何だろうか?

Photo 02 |
アクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)とは音響工学用語で、直訳すると「動的に騒音を除去する」ということ。周囲の騒音をマイクで聞き取り、波形を分析してその真逆の波形(逆位相の波)音をスピーカーから出すことで、騒音を打ち消す(photo
02)。ANCのアイデアは意外に古く、1936年に米国で特許が出されたのが初めてのようだが実用化するまでには結構時間がかかっている。逆位相の波形の制御が難しいのだ。DSP(Digital
Signal Processor)の技術がでてきてようやくANCの技術も実用化されたのだが、工場の排気ダクトや、地下鉄構内、クルマの車内の騒音除去になど使われている。意外に身近な技術なのだ。『QuietComfort2』にはイヤーカップ内に高性能マイクがあり、周囲の騒音と再生音を識別している。『QuietComfort2』はかなりの密閉性がたもたれているため、ANCのシステムなしでも周囲の音は結構カットされる。もともとこの技術は、戦車・戦艦の砲撃による爆音から耳を保護するために開発されたイヤープロテクトからきており、射撃用や、ヘリコプターのパイロットなどには必要なアイテムだ。

Photo 03 |

Photo 04 |
『QuietComfort2』を使用するには単4乾電池が1コが必要で、ヘッドホン(R側)の上部の蓋をあけて乾電池を入れる。前モデルの『QuietComfort』と異なりヘッドホン内に完全格納。デザイン性も損なわないつくりになっているので見た目は普通のヘッドホンとあまり変わず違和感はない(photo
03)。
電池ボックスと同様、R側にある本体スイッチをON(O/IのI)にすることでANCが作動し、音が出る状態になる。だが残念なことに、スイッチを常にONの状態にしていないと、音がでない(photo 04)。本当は、ANCがONのときとOFFのときとで音質の変化を比べたかったのだが……。実は『QuietComfort2』はエルゴノミクス理論に基づき、長時間快適に音楽を楽しむために設計されている。内蔵の電子回路も騒音を除去するだけでなく、疲れないための最適の音響にチューニングしているらしい。そのため、常時電源が必要とされるのだ。
さて、次はケーブル。標準ケーブルはステレオピンジャック用なので、『iPod』につなぐ場合はそのまま差し込んで使える。そのほかには使用する用途にあわせ、ステレオフォンジャックや飛行機の機内用プラグアダプター、キャリングバッグ、また延長ケーブルも付属(photo 05、06、07)。

Photo 05 |

Photo 06 |

Photo 07 |
[スイッチONで周囲の雑音が消えた!]

では早速、『iPod』に『QuietComfort2』を差し込み音楽を再生しよう。
とその前に、無音量の状態で『QuietComfort2』のスイッチをONにする。するとどうだろう。次第に(といっても1秒くらい)周辺の騒音が消されていく。そばにいる人の話し声やドアをバタンと閉める音など、ある一定以上の周波数の音は安全のためカットされないようだが、空調の音やそばにあるPCの音などは全く聞こえない。まるで、無響室に入ったときと同じような感じだ。これなら、音楽を聞くためだけでなく、図書館や飛行機の中、オフィスでも作業に集中したいときなど、十分使えそうだ。

Photo 08 |

Photo 09 |
音楽を再生してみる。ちなみに曲は、エアロスミス復活を後押ししたことで有名なRun-DMCの「Walk This Way」(photo
08)。
数年前に知り合いの編集長から「いいサウンドだよ」とCDで借りた、その時のMP3。当時「曲は聞いたことあったけど、これがRun-DMCっていうんだ」と思っていた。彼らってHipHopの草分け的存在なんだよね。今聞いても全く古さを感じさせないサウンド。そんなことを思い出せるくらい、「Walk
This Way」の音だけが聞こえてくる。無音量のときは周辺のすべての音までは遮断できなかったけれども、音量を適量にするとまったくといっていいほど、周囲の音は聞こえない。怖いくらいだ(photo
09)。
周囲の騒音が気にならないから、音量もいつもより低めですむし、その分耳にもやさしい。密閉型で音漏れも少なく、周囲の人にもよっぽどでない限り音もれしないだろう。(実際に写真に写っているモデルに使用してもらい、音もれをチェックしたところ、予想通り音もれの心配はなさそうだ)
今流行の圧迫感の少ないオープエア型のヘッドホンもよいとは思うが、周囲の騒音から逃れられるうえ、耳にもやさしく音もれしない。もちろん、音もいい。一粒で二度も三度も、いや四度ぐらいおいしい、ノイズリダクションヘッドホン。あなたもぜひ一度ご試聴あれ。
モデル:田村 宏美
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