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AVアンプの出力は1W=52円!

AVシステムの中で、いま最もお買い得感があるもの、それはAVアンプである。なぜなら、薄型大画面TVが1インチ=1万円になれば、割安感があると言われているのに対して、アンプの1Wの出力あたりの価格を計算するとべらぼうに安いからである。そもそもアンプは技術革新によってどんどん大出力、低価格化が進んでいる。例えば、真空管を使っていた時は、いまよりもずっとコストパフォーマンスが悪かったのだ。
1961年 パイオニア『FM-B302』出力8W。2万円 1W=2500円
1963年 パイオニア『SM-90』出力40W×2。7万4000円 1W=925円
1964年 トリオ『TW-80』出力40W×2。4万5000円 1W=562円
1975年 トリオ『KA-3300』出力35W×2。3万4500円 1W=492円
2002年 パイオニア『VSX-D511』出力100W×5 実勢価格約2万6000円 1W=52円

Photo 01 |
1960年代後半にオーディオ用アンプは真空管からトランジスターアンプになって、ようやく1W=500円の壁を突破することができるようになった。AVアンプはその約1/10の値段で1Wの出力が得られるのだ。オーディオ用のアンプは2chあれば良かったので、問題なく高出力、低価格化が進んだがAVアンプは、そうは問屋が卸さなかった。なぜならドルビーサラウンドを再生するには5ch+サブウーハー用の合計6chのアンプが必要なのだ。つまり普通のアンプ3台分である。さらに7.1chとなればアンプ4台分になる(photo
01)。これをオーディオ用アンプと同じサイズに詰め込まなければならない。さらに、従来のオーディオ機器の入力に対応しつつ映像機器の入力と出力も必要になる。それだけでなくサラウンド信号を処理するためのDSPと呼ばれるデジタル回路も必要不可欠なのだ。つまりAVアンプとは
●オーディオ用プリメインアンプ
●映像機器用信号切換機
●D/A、A/Dコンバーター
●DSPプロセッサ
●サラウンド用パワーアンプ
これだけの機能がぎっしり詰まっているのである。AVアンプは上級モデルほど背が高くなるが、これはパワーアンプを強化するために大きな部品を入れなくてはならず、横幅が広くできないので仕方なく上に伸びたのだ。さらに出力と音質を追求すると重さも自然と重くなってくる。その結果をチェックしてみよう。これが各社のハイエンドモデルのスペックである。
| デノン『AVC-A1XV-SP』69万3000円 |
高さ28cm |
重さ44kg(photo 02) |
| オンキョー『TX-NA1000』63万円 |
高さ22cm |
重さ33kg(photo 03) |
| ソニー『TA-DA9000ES』63万円 |
高さ23cm |
重さ28.5kg(photo 04) |
| ヤマハ『DPS-Z9 DSP 』52万5000円 |
高さ21cm |
重さ30kg(photo 05) |
| パイオニア『VSA-AX10Ai-N』52万5000円 |
高さ21cm |
重さ34kg(photo 06) |

Photo 02 |

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Photo 05 |

Photo 06 |
液晶TVよりも重そうなAVアンプが勢揃いである。値段も一見、高そうに思えるが、この中にはオーディオアンプ4台分プラスもろもろの機能が入っているのだ。デノンなんか10chアンプである。実質、音質にかけられるお金は限られており、オーディオ用の2chアンプと勝負するのは非常に厳しいのである。

Photo 07 |
そこで考えたのだが、AVアンプではなく、Vアンプがないのはなぜか? 俺はオーディオ用の機能なんかいらねえよ! オーディオは別の部屋とかPCとかiPodで聞くからサラウンドに必要な機能だけを搭載したVアンプを発売してくれ〜 と某メーカーの人に頼み込んだ。すると「アンプを買い替える人は、いままでオーディオアンプがあった場所にAVアンプを入れます。いままで使っていたアナログプレーヤーとか、CDプレーヤーとかMDプレーヤーとかFMチューナーとかカセットデッキとかを接続したがるんですよ〜 だからそういう機能がないAVアンプは売れません(photo
07)」と言われた。えええ〜! いまどきFMチューナーとかカセットデッキなんか使ってる奴いねえーよ。百歩譲っていたとしてもLPレコードのためにアナログプレーヤーを接続してる奴は見たことない。そう言い切ってもダメなのである。これはユーザーにも責任があって、カタログスペックを見て何でもかんでも沢山付いている方を買うからである。みんなもっとシンプルに暮らそうよ! シンプルライフ。シンプル・イズ・ベスト。
ということで、これからAVアンプを買ってサラウンドを楽しもうと思っている方には残念なお知らせですが、AVアンプにはもれなくオーディオ機器のための機能がテンコモリになっています。これを機会にLPレコードとかカセットテープを集めるのもいいかも…。それはさておき、ハイエンドモデルは何が違うのかと言えば、
●スピーカーに対するドライブ能力。
●ピュアオーディオ再生時の音質。
●9.1chサラウンド対応。
まあ、こんなとこである。これから我々が目指すのはサラウンド再生なので、とりあえずスピーカーに対するドライブ能力は関係ない。これは世の中にある珍しく鳴らしにくいスピーカーでも大丈夫ですという性能なので、最初から鳴らしやすいスピーカーを接続すれば必要ない。ピュアオーディオ再生時の音質も放置しよう。サラウンドで大切なのは音質よりも、まず音場感である。9.1chサラウンドはスピーカーを10個置けるホームシアターを持っている人だけに関係あり。もしこんな方がいたら個人的に相談にのるのでメールください。
AVアンプをいかに選ぶか?


Photo 08 |

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本題に戻ると、サラウンドを楽しむのにハイエンドモデルは不要。では、どんなAVアンプを選んだらいいのだろう。実勢価格約2万6000円と一番安いかったパイオニア『VSX-D511』(photo
08)は5.1chサラウンド対応で100Wのアンプを5ch搭載しているので、1W=52円の驚異的なコストパフォーマンスを誇る。とりあえずコレください! とレジに走る前にチェックすべき項目がある。それは映像入出力端子である。そもそも俺がいま使っているヤマハ『DSP-A3090』(photo
09)をやめてアンプを買い替えようと思った理由は、薄型大画面TVを導入したときに映像を切り替えるためのD端子が付いていないからである。このAVアンプだって、ちゃんとドルビーサラウンド5.1ch対応で当時定価24万8000円もした立派なアンプなのである。音声はデジタル光入力対応なのだが、惜しいことに映像はS端子までしか対応していない。つまりハイビジョン信号は切り替え不可。これを回避するためには薄型大画面TVにHDD&DVDレコーダーの映像端子を接続して、音声はAVアンプに接続して学習リモコンのマクロ機能で同時に切り替えるという裏技を考えたのだが、シンプルライフに反するマニアックな方法なので却下したわけだ。しかも2万6000円でアンプ2台分ということはオーディオアンプで考えると1万3000円の音質ということになる。いくら音質に目をつぶるといってもこれでは今使っているAVアンプより音が悪くなることは間違いない。
それでは、ヤマハつながりで『DSP-AX2500』はどうだろう。15万7500円で7chアンプ内蔵、出力は130W。もちろんD4端子対応。さらにYPAOと呼ばれる部屋の音響特性を測定して自動的に音質を調整する機能がある。これは大事! 音質より、音場感を大切にするサラウンドでは5chのスピーカーは全て同じにするのが理想とされている。ウチはとりあえずバラバラなので、この機能を使えば誤魔化せるかも。とすれば思い切って、その上のクラスの『DSP-Z9』52万5000円いってみるか〜。しかし、いまだに独自DSP方式にこだわって9chのアンプ積んでいるぞ。これは俺の目指すシンプルライフに反する思想だ。どうせ買い替えるなら別のメーカーの音も聞いてみたいしなあ、と心変わり。新しいもの好きのソニーの『TA-DA7000ES』は24万1500円で、
9.1ch対応で、i.LINK入力2系統、HDMIインターフェイス装備と未来を感じさせるコンセプトがまぶしい。オンキョー『Integra
DTC-7』21万円は、7.1ch対応でD端子、コンポーネント端子の同時出力に対応か。
どちらも魅力的だが、俺が欲しいスピーカーの自動調整機能がない。それがあるのはパイオニア『VSX-AX5Ai-N』23万1000円なのだ。一番のポイントとしてAdvanced
MCACCと呼ばれる音場補正システムを搭載している。どこがアドバンスドなのかと言えば、従来は周波数と音量レベルだけで補正をしていたのだが、新たに時間軸での調整を加え3次元方式になったのだ。これに関しては次回詳しく説明するのだ! 実勢価格で計算すると1W=165円と悪くない。決めた〜 色とデザインが気にくわないが映画を見るときは暗くするのでよしとしよう。
ということで次回からパイオニア『VSX-AX5Ai-N』の本格的レポートが始まります。
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