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[不思議の国の魚眼レンズ]


Photo 01 |
高校時代のバイブルは、ニッコールレンズのカタログだった。放課後に「カメラのきむら新宿店」で新しいカタログをチェックするの日課だった。ニコンは当時から70本あまりの交換レンズを出していたので、レンズカタログも立派なものだった。それを眺めながら、次はどのレンズを購入するべきか。とか、女子校の文化祭に行くのに最適なレンズな組み合わせは果たして何なのか。などを真剣に考えていたのだ。数多くのレンズの中でも異彩を放っていたのが(受注生産)と表記されたレンズだった。一般人にはかかわりのない、特殊な用途のためだけに生産されるプロ用レンズ。その中でも最もインパクトがあるのが、『Fisheye Nikkor 6mm F2.8S』である。このレンズカタログの左下にある巨大なレンズだ(photo 01)。画角は220度で、フィルム面に円形の画像を記録する全周魚眼と呼ばれるタイプ。重さ5kgもあるので、手持ちでの撮影は絶対に無理だと思う。
これに対して、35mmフィルムいっぱいに像を結ぶのが、対角線魚眼レンズと呼ばれるタイプ。ペンタックスの『Fフィッシュアイズーム17-28mm F3.5-4.5』の画角は180度から90度までだ(photo 02)。これを『*istD』に付けると1.5倍になってしまうので、25.5mmの対角魚眼ということになる。どんな感じなのか想像もできないので、早速、17mmで撮影してみた(photo 03)。意外と普通っぽい。画面センターを外れると垂直な線は、中心に向かって湾曲するのが特徴だ。今度は28mm側で撮ってみよう(photo 04)。これだとほとんど普通だが、柱が湾曲しているのが不思議。画角を比べてみるとかなり広角であることが分かると思う。ここまで広角だとかなり使いにくいのだ。その理由は、
●写る範囲が広いのでいらないものが入ってくる
●主題にかなり接近しないと、単に広い範囲が写った写真になる
●歪みを強調すると、いかにも魚眼レンズ臭くなる
●超広角レンズと違って、どうしても歪みがでる
ということを踏まえると、何も撮れなくなってしまうので、友人が主催したドゥカティ(イタリア製二輪車)のミーティングの記録に使った。まず、首から下げてセルフタイマーで走行中の写真に挑戦(photo 05)。小型軽量なレンズで、ピント合う範囲が深いので、こんな芸当もできるのだ。スキー場の駐車場を使ったメイン会場の広々とした感じもよく出た(photo 06)。原宿で比較した画角はコレ(photo 07、08)。やっぱり広いところで使わないと、あまりありがたみはないようだ。ということで、出雲で寄り道した「水木しげるロード」にいたねずみ男をに大接近(photo 09)。
[最新ズームレンズはかなりいい!]

魚眼レンズはこれぐらいにして、今度は広角系ズームを試そう。『*istD』専用に開発された『smcPENTAX-DA Zoom 16-45mmF4ED AL』は、重さ365g、最大径72mm、長さ92mmとコンパクトで軽量な最新レンズだ。最短撮影距離は29cm。35mm換算で24.5〜69mmのズームである。これはいい! 『Nikon D70』の標準ズームは27〜105mmで、最短撮影距離は38cmである。これではニコンの負けである。同じ広角レンズでも28mmと24mmでは格が違う。『*istD』を買うなら、18-35mmとペアの『*istDファーストセット』ではなく、ぜひ、ボディ+16-45mmを選んで欲しいのだ。このレンズは新設計だけあって、ちょっと全長が長いという以外は、非の打ち所がないレンズだ。16mmでは歪みが少なくやわらかな描写が得られる(photo 10)。そのままズーミングするとポートレート向きの中望遠レンズの画角になる。絞り開放から解像度が高く、シャープでいながら固くなりすぎないのがいいね!(photo 11)。
望遠系ズームでは、ヨドバシ価格1万5700円の『FA J75-300mm F4.5-5.8AL』がお買い得なのだ。重さ385gと手持ち撮影に耐える軽さ、長さも11.6cmとなかなかコンパクトである。といっても専用フードを付けて望遠側にすると、かなり迫力がある(photo 12)。75mmは自然な感じで歪みもほとんどない(photo 13)。これが190mmでのバックのボケだ(photo 14)。190mmでも1.5倍なので285mm、つまり300mm相当に近いためかなりバックはボケてくる。これが望遠端の300mmまでくると450mmなので、めったに使う機会はないだろう。っていうか手持ちで撮れるけど、かなりブレやすいよ。ということは28-200mmで充分なのでは。もし純正にこだわらないのであれば『シグマ COMPACT HYPERZOOM 28-200mm F3.5-5.6 ASPHERICAL MACRO ペンタックス用』をヨドバシ価格1万7800円でゲットするもお勧めだ。
[昔のレンズはどんな味?]

それでは、最後のお楽しみ昔のレンズを付けて、撮影するとどうなるかを試してみよう。最初に登場するのは、東ドイツ製の『Pentacon 50mm F1.8』である。ヤフオクで4000円でゲットした格安レンズである。『King-2』などで再調整済みの精度の高いレンズが販売されているので、ロシアと東欧に萌えたらクリックしてみよう。このレンズはズームには真似のできない、開放絞りF1.8がポイント。つまりボケが美しいのである(photo 15)。なんとなくレトロな感じに見えてこないだろうか。もちろん、少し絞れば現代のレンズに負けない解像度もある(photo 16)。髪の毛の1本、1本がきちんと分離して見えるだろう。もっとカラーバランスがくずれたり、黄色っぽいのかと思ったが、オートホワイトバランスで全く問題なかった。ちなみにこの画像は補整なしでリサイズしただけだ。つまり、昔のレンズも問題なく使えるのだ。気を良くしたので、次に『Carl Zeiss Jena TESSAR 2.8/50mm』を付けた。これもヤフオクで4200円で落札したレンズだ。ツァイスのレンズが使ってみたかったので…。オオッ、こっちのボケ具合もなかなか、8角形に見えるのは絞りリングの形が出ているのだ(photo 17)。もっと高級なレンズだと、これが円形になる。いわゆる円形絞りである。でも8角形でも俺は好きだね。レンズの描写はもっとやわらかい感じだ。もしかすると前ピンなだけかもしれないが。ちょこっと絞れば、こちらのレンズもシャープな感じにもなる(photo 18)。
マウントアダプターを駆使すれば、ライカ用のLマウントとかMマウントなんかも装着できる。つまり世界中のレンズが使えるのだ。ヤフオクに1万円以下で使えるレンズがゴロゴロしている。最新一眼レフに昔のレンズを付けて撮影する。これぞデジカメ葉隠れの術。ズームレンズばかり使っているとズーミングで構図を決めるので、画角による遠近感の違いとか、ボケ味なんかが分からずに、なかなかスキルアップできないのだ。やはり一度は単焦点レンズを使って、自分が動き回って、いい構図を見つけることに喜びを感じる方が面白いと思うのだが。っていうか面白いよ絶対。今度、チャンスがあったらぜひ試して欲しいのだ!
●次回予告、やった〜 新製品『*istDS』が発表された。世界最小最軽量で税込価格10万円以下らしい。専用標準ズームレンズも同時発表された。実際に持ってみたがD70に比べてかなり小さい(photo 19)。発売は11月上旬。検証工房では、10月中旬にレポートできる予定だ。刮目して待て!
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