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[デジタル時代の広角ズームはどうあるべきか?]

何度も書いているが俺は超広角レンズが好きだ。旅のお供に超広角、食前食後に超広角、何はなくとも超広角である。そんなことを言っているわりに実はD70用の超広角レンズを持っていなかった。その理由は簡単。純正のレンズにいまいち物欲が沸かなかったからなのだ。ニコンは超広角ズームに真剣に力を入れているようで、最初に作ったデジタル一眼レフ専用ズームがこの『AF-S
DX Zoom Nikkor ED 12〜24mm F4G(IF)』である。ものすごく気合いが入っているので、AFは無音で動く超音波モーター採用。もちろんIFすなわちインナーフォーカスである。レンズは色にじみを補正するEDレンズに非球面レンズを3枚も使っている。EDなのでレンズ銅鏡には金線が入っている。これで威張りも効くのだ。お値段は17万100円とどうしても買えない額ではない。しかしD70に装着すると画角が18mm相当というのがイマイチなのだ。分かりやすいようにライバルレンズとの比較表を作ってみた。
| メーカー |
ニコン |
トキナー |
タムロン |
シグマ |
| 価格 |
17万100円 |
9万4500円 |
8万1900円 |
8万3475円 |
| 発売時期 |
03年6月 |
04年11月 |
05年5月予定 |
発売時期未定 |
| 焦点距離 |
12〜24mm |
12〜24mm |
11〜18mm |
10〜20mm |
| 開放絞り |
F4 |
F4 |
F4〜5.6 |
F4〜5.6 |
| 最短撮影距離 |
0.3m |
0.3m |
0.25m |
0.24m |
| 重さ |
485g |
570g |
345g |
470g |
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さあどうでしょう! 画角から考えれば断然「シグマ」である。何しろ10mmということはD70に装着すると15mmとして使えるわけだ。銀塩写真でニコンの15mmと言えば26万4600円で重さ630gの超怒級レンズである。それと同じ画角がデジカメで手に入る。よし決まったシグマください! しかし発売時期未定である。もちろんヤフオクにも出ていない。つまり絵に描いた餅。夏の北海道ツーリングに間に合えばゲットしたいなあ。次に焦点距離が短いのは「タムロン」である。11mmなら、16.5mm相当である。ちょっと半端な数字だが俺が使っていた24mmよりもかなり超広角だ。そして4モデルの中で最も軽い。荷物を全部背負っていく北海道ツーリングで軽くて小さいことはかなり重要。もちろん普段持ち歩く時も軽いにこしたことはない。非の打ち所がないレンズだが俺好みのデザインではない。っていうか、この原稿を書いている時点ではまだ発売されていないのだ。では「トキナー」はどうだろう。12mmということは18mmである。超広角レンズと呼んでもいいだろう。15mmと比べるとかなりテンションは下がるが、致し方有るまい。その他のスペックはほぼニコンと同等、ちょっと重くて、大幅に安いのが違う点だ。あと超音波モーターも使っていない。レンズ自体は蛍石に限りなく近い超低分散ガラス1枚と低分散ガラス2枚に加えて新開発の非球面レンズを搭載している。そしてデザインが、かなりニコン風なのだ。しかもマニュアルフォーカス時代のニッコールレンズを思わせる。俺は純正の12〜24mmもこっちの方が好きだ。
[マレーシアでEOSと対決!]


Photo 01 |

Photo 02 |
ということでトキナーをゲットした。ニコンを買うより、トキナーとシグマに二股かけて気に入った方を残すという作戦だ。ニコン以外の3社の中では最も値段が高く重いので頑丈でしかも性能も良かろうと勝手に決めつけている。このレンズを急いで買ったわけはDIME本誌でマレーシア取材があり、ライター兼カメラマンの大役を仰せつかったからである。まあ、その後いろいろあって結局はカメラマンも参加して編集者、ライター、カメラマンの3人態勢になったのだが、俺は自主的にカメラ持参で取材に臨んだ。普段ならデイパックで取材するのだが、今回はカメラバッグをチョイス(photo 01)。なんと75〜300mmまで投入している。さすがに三脚とストロボはやめたが。シンガポールから国内線に乗りかえクアンタン空港に到着(photo 02)。時刻は20時36分。12mm/F4、シャッター速度は1/13秒。ISO200である。ピントはAF。この1枚だけで超広角レンズ買って良かったと思った。手持ちでブレてないし、AFでピント合うし、周辺光量落ちてないしめでたしめでたし。しかし、油断は大敵だ。カメラマンが持ってきたボディは『EOS-1 Ds』である。16.7Mピクセルの35mmフルサイズCMOSセンサー搭載なのだ。つまり、装着したレンズの焦点距離がそのまま使える。そして彼が持ってきた広角ズームはプロ御用達の『EF16-35mm F2.8L USM』である。超音波モーター採用で開放絞りF2.8を誇る赤線入りのLレンズである。ちなみにお値段は23万円! こっちは焦点距離で2mm、開放絞りで一絞り負けている。気合いを入れなければ。

Photo 03 |

Photo 04 |

Photo 05 |
ホテルに到着して夕食をとってから撮ったのがこの1枚(photo 03)。ISO800に感度を上げて1/13秒、F4.5である。このアングルが評価されて、後にカメラマンが撮り直したカットだ。EOSの方が感度を上げたときにノイズが少ないので夜はこちらが不利なのである。しかし、こちらは彩度設定を強めにして記憶色を狙っている。向こうはプロなので設定はニュートラルである。コレが功を奏して色はD70方が実際に近いか、より派手目に撮れた。それで採用された画像の別カットがコレ(photo
04)。プロに三脚を借りてF4.5で30秒の露光時間、感度はISO800である。EOSだとここまで色が乗らないのだ。次のミッションは朝焼けを撮れ! これも色乗りのいいD70が有利だった。1/20秒、F4.5、ISO200、ホワイトバランス電球でこんな感じだ(photo
05)。ここまで全て12mmで撮影している。ズームじゃなくて単体レンズでもいいような気がしてきた。完全に日が昇ってから昨日と同じアングルでパチリ(photo
06)。絞りF7.1である。ここまで絞ると完全にパンフォーカス。柱の歪みなどもなく非常に優秀なレンズであることが分かる。せっかくなので24mm側で撮った画像もひとつ(photo
07)。1/500秒、F5である。さらに素直な描写で固くなりすぎないのがいい。ニコンのレンズは絞るとかなりカリカリした画像になりがちだが、トキナーは大丈夫だ。もしかすると絞り込んでもシャープネス不足と思われた方、鋭い! F20まで絞ってもこんな感じなのだ(photo
08)。まあデジカメなのであとからシャープネスかければ問題ないでしょう。逆にシャープ過ぎる画像を柔らかくする方が難しいので俺はコレでいいと思う。ウォールクライミングなどの取材をこなして順調に日程を消化。クライミングではレベル4のオーバーハングをクリアーできなかったのが悔しい(photo
09)。

Photo 06 |

Photo 07 |

Photo 08 |

Photo 09 |

Photo 10 |
無事取材を終えて原稿も書き終えた。実際にトキナーの12〜24mmで撮った画像は、DIME11号(5月19日発売)の89ページから始まる「DIME TRAVEL」に掲載されているので印刷されるとどうなるかが気になる方はぜひ見て欲しい。ただしEOSとD70の画像が混在しているので、どっちがどっちだか分からないかもしれないが…。トキナーは、扱いやすいレンズだった(photo 10)。フォーカシングリングを手前に引くとAFからMFに切り替えができる点が便利で、カメラ側の切り替え不要なので瞬時にMFが使えて気分がいい。リングの動きもなめらかで、この点では純正のニッコールレンズよりも勝っているといえるのだ。天気が良ければ初めからMFにしておき、距離を1mに固定。絞りF5.6以上に絞り込めばパンフォーカスで画面全体にピントが来るので晴れていればAFもMFも使わず撮影に専念できる。
次回は取材に持って行った便利なストレージを紹介しよう。
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