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ゴン川野 Selection

●幅117×高さ85×奥行き113.5mm、560g(電池別)。有効画素数=約500万画素。レンズ=光学7倍、13群16枚高精細ミノルタGTレンズ。焦点距離=7.2〜50.8mm(35mm換算で28〜200mm相当)。液晶モニター=1.8型低温ポリシリコンTFTカラー。電源=リチウムイオン電池1本(専用充電器による充電時間:約150分) / DC6V(ACアダプター)。記録メディア=CFカードTYPE I TYPE II(マイクロドライブ対応)、SD/MMCカード(SDメモリーカード用CFアダプターSD-CF1[別売]を使用)
http://konicaminolta.jp

第4回(完結編) 3D AFは時速100kmを捉えられるか 02.09 UP
第3回 7倍ズームは偉いのか? 02.02 UP
第2回 カメラの命はファインダー 01.26 UP
第1回 ミノルタは世界初がお好き 01.19 UP


 


[A1でDUCATICUPを撮る]

オートバイに乗っていて、もっとも気分が高揚する場所、それはサーキットである。しかも走行会ではなく、レースに出場するとなると、緊張感は最高。なんて書いているが、私はまだ出場経験なし。せいぜい走行会の初心者クラス止まりだ。今回はドゥカティに乗っている仲間が初参戦するDUCATICUPというレースをA1で撮影することに決めた。

場所は筑波サーキットである。A1には世界初の3D AFが搭載されており、コンティニュアスAF時には、約0.2秒で被写体にピントが合うのだ! 次元大介がS&W M19COMBAT MAGNUMで早撃ち0.3秒であるから、これよも0コンマ1秒も早いことになる。ということで、まったりとしたAFのNikon COOLPIX5000では、勝負にならないため、強力な助っ人を用意した。Nikon F3Professionalversion+80-200mmF4である。80-200mmは直進式ズームレンズで素早いフレーミングが可能、F3のモータードライブMD-4は1秒間に6コマの撮影ができるのだ(photo 01)。A1と比べてみるとサイズ、重さともに段違いにヘビー級(photo 02)。やっぱりいくら大柄とはいえ銀塩写真の一眼レフカメラに比べればデジカメはラクチンである。しかもA1のレンズは28-200mmF2.8なのだ。ということで念のためにF3用にはREFLEX500mmF8も忍ばせてきた(photo 03)。


Photo 01

Photo 02

Photo 03

さて、準備は整った。参加するチームはプライベーターなのでピットなどいう贅沢な場所は確保できず、1コーナーの下のあたりに陣地を設営。A1の28mmで撮影した画像(photo 04)を見ると空の色が非常に美しい。同じ画角でニコンだとこうなる(photo 05)。まあ、ぶっちゃけこちらの方が真実に近いのだが、記憶色としては、今度はミノルタに軍配を上げたい。シャッター速度も30秒から、1/1万6000秒まであるので、最小絞りが少ないデジカメの弱点をカバーして、強烈に日射しが強い被写体も鮮やかに撮影できる(photo 06)。さらに、今回は試していないが、カラーモードに、sRGBのナチュラルとビビット、Adobe RGB、モノクロ、ソラリゼーションなどがある。これを切り替えるだけで、同じ撮影条件でも色合いだけを変化させられる。一般的なデジカメのカラーモードはsRGBなのだが、A1はPhotoshopの性能を生かし切れるAdobe RGBに対応している点が素晴らしい。さらに印刷媒体などに使う場合はICCプロファイル付きで画像を保存できるのがありがたい。NikonCOOLPIX5000以上にプロユース向けのデジカメと言えるだろう。


Photo 04

Photo 05

Photo 06

[AFでレースの写真は撮れるのか]


Photo 07
F3を使う前に、ちょっとだけNikonCOOLPIX5000+TC-E3EDという組み合わせで撮影してみた。レンズの焦点距離は255mmである。ハッキリ言ってA1の200mmに勝っている。しかし、電子ビューファインダーがなく、液晶モニターを見ながら、時速100km以上の速さで走るバイクを捉えるのは至難の業だ。何十枚か撮って、ようやく捉えたのが、この画像(photo 07)。リサイズなしでバイクをトリミングしてある。あきらかにピンぼけである。シャッター速度は1/659秒なのでブレているわけではない。まあ、一言でいえばテレコンバージョンレンズを付けてレースの撮影は無理なのだ。

さっさとあきらめて、今度はA1を使う。速度が遅くなるコーナーに移動して撮影したのがこの画像だ(photo 08)。3D AFが効いて、バッチリピントが合っている。しかし、いつもうまくいくわではなく、ピントがぼけることもある(photo 09)。リサイズしたのでよくわからないが、この3台ともにピントがあっていないのだ。この3D AFはあまりスピードの速いものは追従できない。レースの撮影の場合、直線で150km以上出しているマシンにフォーカスをロックして、急激に減速するコーナーでシャッターを切りたい。


Photo 08

Photo 09

すると直線の時点でスピードが速すぎて、マシンからロックがはずれてしまうのだ。肝心のコーナー来たときには、ピントが合わない。またコーナーでロックしなおしても、立ち上がりから次の直線で加速するとロックが外れてしまう。という訳で残念ながら3D AFはオートバイのレースには不向きであると感じた。人間が走ったり飛んだりするスポーツ競技なら実力を発揮するのだろうが、モータスポーツの撮影に使うには、もう少し性能アップが必要である。


Photo 10

Photo 11
ではA1でレースは撮れないのかといえば、そんなことはない。コンティニュアスAFをやめて、ワンショットAFに切り替えればいいのだ。これで普通のAFになる。シャッター半押しでフォーカスがロックできる。これであらかじめバイクが走ってくる位置にピントを合わせておいて撮影する。業界用語でいえば置きピンである(photo 10)。F3はマニュアルフォーカスなので、置きピン以外の方法でピントを合わせることは困難。同様の方法で撮るとこんな感じになる(photo 11)。では銀塩写真とデジタルのベストショットを比べてみよう。どちらもリサイズなしで、オリジナル画像の一部をトリミングしている。まずA1はこれだ(photo 12)。ヘルメットの中のライダーの表情まで見える。ちょっとシャッター速度が速すぎてマシンが止まっているようにみえるのが残念だ。次はF3+80-200mmでの画像(photo 13)。こちらはスピード感があるが、ちょっとブレぎみである。明るいファインダーと長年の慣れでアングルはバッチリだ。しかし、機材の重さと量と撮影後の手間を考えると、もう銀塩一眼レフカメラでレースの写真を撮ろうとは思わない。それよりA1を使いこなして、もっといいショットを狙ってみたい。正直言ってNikonCOOLPIX5000でマシンに近づけない筑波サーキットで、レースの撮影は困難である。というか絶対無理。超広角好きの私だが、やっぱり望遠レンズも必要であることを実感したのである。


Photo 12

Photo 13

[手ぶれ補正機能はじわりと効く]


Photo 14

Photo 15
最後に手ぶれ補正機能について触れておきたい。A1を使っているときは常時この機能をONにしていたので、特に気にしていなかったのだが、後で撮影データを見ると手ぶれは確実に抑えられていた。これはアップルの取材の時の画像だが、焦点距離200mmで絞りは開放でシャッター速度は何と驚異の1/6秒(photo 14)。こちらが動かなくても人間の方が身振り手振りを入れて話しているので、非常にブレやすい。普通なら1/125秒ぐらいを使いたいところだが、こんなに遅いシャッター速度でも手ぶれしていない。これはあきらかに私の腕ではなくA1のおかげである。銀塩カメラの場合は焦点距離分の1でシャッターを切ればブレないとされている。200mmなら1/200秒である。デジカメは小型軽量なのでこれはあてはまらないが、どう考えても200mmで1/60秒より遅いシャッター速度は無理である。28mmでも1/6秒では手ぶれ間違いなしだ。デジカメをお持ちの方はぜひ試してみていただきたい。こちらは28mmで絞り開放で1/25秒(photo 15)。画面中央の歩いている人物は、完全にブレているが、それ以外はきれいに止まっている。1/30秒よりも遅いシャッター速度を使うときは、息を止めて脇を締めて、ブレないように意識してからシャッターを押すのだが、これは普通に何枚か撮影したうちの1コマである。このようにさりげなく効いてくれる手ぶれ補正機能は、非常に頼りになる。このあとでNikonCOOLPIX5000を使ったら、途端に手ぶれが多くなったのだから間違いない。

駆け足で検証してきたが、実はA1にはまだまだ凄い機能がある。例えばPHS通信カードを挿入して直接パソコンに画像データを転送する通信機能とか。デジタルエフェクトコントロールとか。連続撮影についても触れられなかった。あとマクロリングフラッシュとかクローズアップディフューザーなど面白いアクセサリーもあるのだ。

とにかく仕事用に1台だけデジカメを選ぶとしたら、迷わずDiMAGE A1だ。趣味用として考えると大きいとか、重いとかワイドコンバージョンレンズがないとか、いろいろ不満はあるが、現時点で一体型システムデジカメの中でA1を超えるものはないと私は断言する。

 


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