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[理想の掃除機を求めて]

子供の頃は21世紀になれば、お手伝いさんロボットが部屋の掃除をしてくれるに違いないと思っていた。しかし、それより先に掃除機がロボットになってしまった。これを作ったのダイソン社である。発明家で工業デザイナーのジェームズ・ダイソンは1978年にゴミパック不要の掃除機ができないかと考えていた。なぜなら、ゴミパックにだんだんゴミが貯まると掃除機の吸引能力が落ちていくからである。当時、彼が取り組んでいたプロジェクトで使っていたサイクロンタワーを掃除機に応用できれるかもしれない。そう考えて5年間で5127台の試作機を作り、彼は遂にデュアルサイクロンを完成させた。
しかし、それからが問題だった。せっかく完成した試作機をメーカーに持ち込んで交渉したのだが、どこも製品化には乗り気でなかったのだ。業を煮やした彼は、自分でダイソン社を創立して掃除機を売り出したのだ。デュアルサイクロンのウリは、筒の中に2つの竜巻をおこしてゴミを巻き上げることだが、さらにモーターから発生するカーボンダストを完全に除去するフィルターも搭載していた。ゴミパックが不要なためランニングコストが安く、排気もクリーンなデュアルサイクロンは、99年にはイギリスのマーケットシェア50%以上を独占。さらに世界各国に販売された。

Photo 01 |
ということで、私もそのデザインと構造のユニークさに惹かれて、元祖デュアルサイクロンをゲットして使っていたのだ(photo
01)。確か当時10万円近くもしたのだが、カッコイイのでどうしても欲しくなって購入。まず、排気音がデカイのに驚いた。まあ、竜巻が起こっているのだからしかたがないのかもしれない。さらに手元に電源スイッチがない。これは不便だった。イギリス式は足で本体のスイッチを操作するらしい。またヘッドブラシにパワーブラシが採用されておらず、この点では日本の掃除機の方が進んでいた。あと全体的に作りが大きく非常にヘビーウエイトだったので、狭い我が家には向かずに、掃除をするのが面倒になった。普段は小型掃除機とクイックルワイパーを駆使して掃除するようになり、とうとうヤフーオークションに出品してしまった。その後、ダイソンも進化を続け、12個の円錐形を搭載した「DC08」が登場している。価格は7万9000円と相変わらず高価である。
[日本には日本製掃除機がよく似合う]


Photo 02 |

Photo 03 |
こうして国産掃除に目を向けた私が次に購入したのは、松下電器の「MC-V270XD」である(photo
02)。まず、花粉症に嬉しい本体排気ゼロ。そして、業界最小型軽量で、しかも高い集塵性能、そして音が静か。まさにデュアルサイクロンができなかったこと全てを実現した夢の掃除機である。もちろん、パワーブラシも手元スイッチもある。それどころか、ゴミ発見センサーを内蔵してゴミが吸われているかどうかをチェックできるのだ(photo
03)。これによって吸引パワーを自動的に制御するという機能もある。

Photo 04 |

Photo 05 |
ところが、最近、この掃除機にも不満が出てきた。人間の欲望にはキリがないのだ。不満点は電源コードが邪魔なこと。そのせいかどうか分からないが、本体がよくいろいろな角にひっかかる。デュアルサイクロンを使っていたときは充電式の小型掃除機を併用していたので、コードレスの手軽さが恋しくなった。それから、ホースの隙間から排気するので夏は暑いとか(photo
04)。あとゴミパックがいっぱいになったかどうかをチェックする方法が分かりにくいのだ。
この不満を根本的に解消するためには、コードレス掃除機の導入しかない。しかし、コードレスはパワーが弱く、駆動時間も少ないという弱点があることが分かっている。問題はモーターにあるのだ。すると松下グループと日立グループが「白物家電用次世代モータードライブシステム」を共同開発しているという噂を聞いた。さらにこのモーターはコードレス掃除機に搭載されるらしいのだ。当然、この画期的な次世代掃除機は、松下電器と日立から発売されることになる。発表時のニュースリリースを読んで驚いた。完成したモーターは何と50,000rpmで回るという。1分間に5万回転である。1秒間に833回転もするのだ。例えばホンダの最新モデル「CBR600RR」でさえ、1万5000回転がレブリミットで、最大出力発生回転数は1万1500回転なのだ(photo 05)。さすが次世代モーターである。
そこで問題になるのが、松下電器を選ぶか、日立を選ぶかである。私の好きな、そして樋口可南子を掃除好きにさせた「ゴミ発見センサー」があるのは、もちろん松下電器製の「MC-BF200」である。
これに対して日立は小型軽量化を進めて、業界初の自動収納式、肩掛けベルト付きである。松下の重さ3.8kgに対して3.2kgである。ちなみに今ウチにある掃除機は2.9kg。松下はセンサーの力で約50分の連続運転ができる。さらに親子ノズルで、パワーブラシからワンタッチで細いノズルに変身する。このパワーブラシをチェックしてみると、いま使っている掃除機のものとソックリだ。私はもっとコンパクトでスリムなパワーブラシが好きなのだ。松下の集塵容積は0.4L、日立は0.7Lである。しかも日立の方が本体のサイズは小さいのだ。そんなとき、じっちゃんが言っていたことを思い出した。
「モーターは日立」ということは洗濯機も冷蔵庫もエアコンもみんな日立がいいことになるが、深く考えずに今回は日立「コードレスたつまきサイクロンCV-XG20」に決定した。
[コードレスサイクロン発動!]


Photo 06 |

Photo 07 |
やってきました「CV-XG20」(photo 06)。箱も意外とコンパクト。早速、充電スタンドに置いて充電開始、我が家の充電仲間「AIBO」も寄ってきた(photo
07)。充電時間は約2時間であるが常時充電スタンドに置く方式なので、いつでもサッと使えるのだ。使ってみるとこのメリットは大きかった。普通の掃除機は、取り出して、コードをグイグイ引っ張って、コンセントに差し込んで、スイッチを入れる。これがコードレス掃除機なら、スタンドから取り外して、スイッチを入れればすぐに掃除を開始できる。
本体はさすがにコンパクトで、松下電器の「MC-V270XD」と較べると、横幅が短く、車輪も小口径である。これなら小回りが効いて、狭い場所でも、ついてきてくれそうだ(photo 08、09)。懸念のパワーブラシはコンパクトで直角に曲げることができる(photo 10)。これでいままで先端を交換しないとダメだった場所も掃除できるのだ。

Photo 08 |

Photo 09 |

Photo 10 |

Photo 11 |

Photo 12 |
ショルダーベルトに関しては、サッと引き出せて肩に背負うことができる(photo 11)。ところが意外とバランスが悪く、本体が前のめりになってくる。それにさすがに3.2kgを背負い続けると重いので、あまり使っていない。それより実用的なのは「サッとハンドル」である(photo
12)。
折り畳みハンドルを引き出さなくても、サッと持てるので、ちょっと移動する時に重宝する。それから交換用のノズルを2個、装着できる点も便利だ(photo
13)。以前は1個しか付けられずにしかもよく落ちたのだ(photo 14)。装着の仕方も右利き、左利きで足に当たらない方を選んで付けられると、よく考えられている。

Photo 13 |

Photo 14 |
モーターの音は、予想以上に静かだった。「MC-V270XD」が45dBの静音設計なのだが、これと同等に聞こえる。耳障りな音がしないので、それよりも静かに感じられることもある。また、連続運転も2LDKのウチを掃除するには充分で、いままで一度も途中で電池がなくなったことはない。吸い込む力は、標準、強、ターボがあり、いつも標準を使っている。これで吸えないゴミはない。強やターボにすると途端に音が大きくなり、これが5万回転か〜 と思うのだが実際に使う機会はあまりない。
従来のコードレス掃除機の弱点は、全て払拭されていることが分かった。これからは、コードレスサイクロンの時代が来ることを確信した。次回は、ゴミパック不要のゴミ捨ての実際をレポートしよう。
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