HOME

DIME検証工房
DIME検証工房 TOP PAGE
ゴン川野 Selection

●幅103.5×高さ61.8×厚さ15.7mm、約158g(10/15GBモデル)。記憶容量= 10GB、15GB、30GB。連続再生=最長8時間。スキッププロテクション=最長 25分。ディスプレイ=対角2インチ、グレースケールLCD、LEDバックライト付 き。充電時間=最長3時間(1時間でバッテリー容量80%まで高速充電)。オー ディオフォーマット=Mac/AAC(16〜320Kbps)、MP3(32〜320Kbps)、MP3 VBR、Audible、AIFF、WAV。Windows/MP3(32〜320Kbps)、MP3 VBR、WAV。

第5回 大容量HDDを使いこなせ! 11.18 UP
第4回 旅立てiPod 07.17 UP
第3回 あなたの知らないHi-Fiイヤフォンの世界 07.04 UP
第2回 嵐を呼ぶ、ヘッドフォン5番勝負! 06.27 UP
第1回 いつもポケットに音楽を 06.10 UP


 


[緊急特集、『iPod 2.0』専用保護シール登場]

『iPod』には、ケースレスがよく似合う。しかし、液晶画面が異常にキズ付きやすいので、気軽にバッグの中に放り込んだりはできないのだ。かくゆう私も早速、キズ付けた。細かいコンパウンドなどで擦ってみたのだが、うまくとれな い。ああ、やっぱりケースに入れないとダメなのか。でも純正のケースはいちいち『iPod』をケースから持ち上げないと操作できない。これは不便だ。


Photo 01

Photo 02

Photo 03
そんなとき、1通のメールが「ビザビ」から届いた。新型『iPod』用の保護シール が完成したという。ブランドはPDA用の保護シールでは泣く子も黙る 「OverLay Plus」である。このシートは透明度が高く、私はNikon COOLPIX5000の液晶モニターに使っているが、貼るだけでツヤツヤ液晶になり、貼る前よりも見栄えが良くなったほどだ。今回の『iPod』用は透明度を限界まで上げ、薄さもより薄く仕上げることに成功したという。まだ注文開始したばかりなのだが、速攻で工場から直送してもらった。

これがMac専門誌より早く公開する「OverLay Plus for iPod 2.0」(photo 01)。よく間違えるのだが保護シートの方が厚みがあるので、こっちを貼ろうとしてしまう。しかし粘着性がないから付かない。正しい装着方法は、保護シートを剥がした面を貼り付ける。非常に薄いので注意が必要だ。もし、失敗してもそっと剥がして、張り直せるので心配ない。これが貼り付けた後の『iPod』(photo 02)。そう写真では全くわからないのだ。そこでもっとアップにしてみる(photo 03)。これでもほとんどわからない。もちろん実物を見れば分かるが気にならないだろう。知人に見せびらかすときは気付かれて「なんだよ貧乏くさいな〜、保護シートなんか貼ってよ〜」と言われるかもしれないが、「お前みたいに、がさつな奴に見せるときだけ貼ってんだよ〜」と言い返して欲しい(ケンカになっても責任取れないけど)。

裏面用のシートもあり、裏面は金属だからキズなんか付かないだろうと思って いたが、シートを貼るために厳しく拭いてみたら、キズが付いていた。ということで、これから『iPod』をゲットしようと思っている方は、まず「OverLay Plus for iPod 2.0」を注文しておこう! そして箱から『iPod』を出したらすぐにシートを貼ってしまうのだ。ケースに入れて『iPod』を使っている方も、表面だけでもこのシートを貼ることをお勧めする。

[付属のヘッドフォンでいいのだろうか?]

『iPod』はかなり音がいい。それを実感するために付属のヘッドフォンでは役不足なのである。いくら磁石にネオジウムを採用してもダメなのだ。それには深い訳がある。ご説明しよう。ヘッドフォンにはその形状から分けると3種類がある。

1.インナーイヤータイプ(『iPod』付属のヘッドフォン)
2.オープンエアータイプ(耳を覆うが、外に音が漏れる)
3.密閉式(耳を覆い、外に音が漏れない)

さて、ヘッドフォンの性能は、どこで決まるか。それはズバリ、振動板の口径である。分かりやすく言えばデカイ奴ほど音がいい。ここでいう性能とは再生周波数帯域のことで、低い音から高い音まで、いかに幅広く再生できるかである。低い音を出すためには面積の大きな振動板が必要というのは物理の法則で決まっているので、これをごまかすことはできない。インナーイヤータイプは耳の中に入れて使うタイプなので大きくすると耳に入らなくなる。つまり、高性能モデルを作ることは困難なのである。唯一のメリットは、振動板を非常に耳の近くのもってこれるので、出た音のロスがほとんどなく通常では不可能な低い音が出せること。また、小さな出力で大音量が出せる。あとは小さくて軽くて安いぐらいしかメリットはない。

『iPod』の実力を引き出すためには、ヘッドフォンを交換するのが最も近道なのだ。っていうか他の方法は今のところ思いつかないし。ではどんなヘッドフォンを選べばいいのか? それが今回のテーマである。予告にもあったように5種類のヘッドフォンを聞き比べてみる。最初は、世界の一流ブランド対決と思ったのだが、それだと何十万円もするモデルが集まってしまい、『iPod』で使うには現実的ではなくなるので、今回は「audio-technica」に協力していただき、値段の違う5種類のヘッドフォンを用意してもらった。

[最高の環境でヘッドフォンの音質をチェック!]

『iPod』でこれらのヘッドフォンを聞く前に、いったいどんな音なのかを確かめてお かなければならない。
もしかすると『iPod』が役不足で、音質に変化がなかったり、ヘッドフォンの実力を発揮できないかもしれないからだ。それではaudio-technicaに失礼なので、リファレンス機器を使って、ヘッドフォン自体の音質をチェックしてみた。

まず、CDプレーヤーには「Mark Levinson No.31L」を使う(photo 04)。「サーキットの狼」 がマイブ ームなので、スーパーカーに例えると「Ferrari 512BB」のようなハイエンドマシンである。リトラクタブルヘッドライトのようにプレーヤーのフタが開くのがポイントだ。これだけでは音が出ないのでD/Aコンバーターに「WadiaDIGITAL 2000」を接続(photo 05)。このマシンは88年の夏に彗星のごとく現れた画期的なコンセプトを持った新しいブランドだった。車でいえば「Lamborghini Countach LP400」である。そして、ヘッドフォンを再生するためだけに作られたヘッドフォン専用アンプ「audio-technica AT-HA2002」を最後に接続した(photo 06)。これは風吹裕矢の初めての愛車「Lotus Europe」のような小粒でピリリと辛いマシンだ。これは2台のヘッドフォンを同時に鳴らせるので比較するときはとっても便利(photo 07)。


Photo 04

Photo 05

Photo 06

Photo 07

次に聞き比べるヘッドフォンを紹介しよう。


Photo 08
1.ATH-EM7
オープン価格
(実勢価格約8000円)
photo 08) 

Photo 09
2.ATH-M40fs 
1万5000円(実勢価格約1万2000円)
photo 09

Photo 10
3.ATH-AD5
1万6000円
(実勢価格約8800円)
photo 10

Photo 11
4.ATH-AD10
3万5000円(実勢価格約2万8000円)
(photo 11)

Photo 12
5.ATH-W1000
オープン価格(実勢価格約4万8000円)(photo 12

audio-technicaには140種類ものヘッドフォンがあるので、全部聞くことはとうてい無理。そこで予め試聴して、音質と価格から、この5機種を選んだ。8000円から4万8000円と価格的にも幅を持たせている。まずは『iPod』純正のヘッドフォンを試してみよう。いままで、これはオマケと思っていたので未開封のままだったが、初めて日の目を浴びることになった。試聴するのは、手近にあっ た宇多田ヒカルの「Firstlove」。なんせCDを全部、押入にしまったので取り出すのが大変なのだ。


Photo 13
うひゃ〜、これはヘッドフォンで聞いてみると打ち込みの音が耳に突き刺さるようで、いい録音とは言えないな。とくにこのF1マシン並みのリファレンスシステムで再生すると録音のアラばかりが目立ってしまい1曲全部、聞いていられないことが判明。そこで、急遽このシステムに相応しい最高の録音と演奏の1枚、ビル・エヴァンス・トリオ「Waltz For Debby」を試聴盤に加えた。アナログプロダクションズが真空管アンプシステムでマスタリングして、これを24金メッキした限定版のディスクである(photo 13)。ニューヨークのヴィレッジ・ヴァンガードでのライブ録音で、観客のざわめきやフォークや食器の音、などが入っており、その空気感の再現が聞きどころだ。とにかく気持ちのいいアルバムなので、ジャズに興味がなくても、ぜひゲットして聞いて欲しい。

●『iPod』純正ヘッドフォンphoto 14

Photo 14
振動板を駆動する磁石にネオジウムを採用。周波数特性は20〜20,000Hz。ちなみにネオジウムを使うのは常識でaudio-technicaの5機種全てが採用。周波数帯域は他の5機種に比べて最も狭い。価格はリモコン付きで、最も安く4800円。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
ボーカルがキンキンして、耳が痛くなりそう。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
かなり情報量が制限された感じ、箱庭的だがバランスは良い。予想外に良い。

●ATH-EM7
鍛造アルミニウム合金のハウジングを使った、耳かけ型のタイプ。B&Oと似たデザインだが、こちらの方がかけ心地はいい。インナーイヤータイプより楽なので、長時間使用に適している。コードは30cmなので『iPod』のリモコンに接続するのに最適だ。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
純正ヘッドフォンよりは低音が出るが、音楽が低音を中心としたピラミッドバランスにならず、中高域にエネルギーが集中する。イコライザーでバスブーストを入れたい気分になる。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
高域が伸びてワイドレンジになった。しかし、低域はあまり伸びないのでバランスは良くない。細かい音が聞こえ、ビレッジバンガードの雰囲気がちらりと感じられた。

●ATH-M40fs
レコーディング用のモニターヘッドフォン。密閉式で音漏れがしないので、電車の中でもOK。ステレオ標準プラグなので、変換プラグを使わないと『iPod』には接続できない。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
イントロからベース部分の低音が聞こえてきた。これが宇多田ヒカルが作りたかったサウンドに違いない。いままでのタイプのヘッドフォンには無理があったことが判明。ボーカルのニュアンスの違いも聞けた。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
バランスはピラミッド型に、ようやく安心して音楽に没頭できる。ざわめきも聞こえライブ録音の雰囲気が感じられた。ピアノの音がやや硬質で、響きが少ない。

●ATH-AD5
同社のエアーシリーズ。これは振動板の背面を開放することで、空気の流れをよくして、圧迫感のない爽やかな音質を再生するという。一般的にいえばオープンエアータイプである。独自のデザインにより頭を圧迫しないので、長時間の使用も苦にならない。コードは3mと長めである。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
音に対するレスポンスが上がり、細かい音がパーッと聞こえてくる。さすがに最新モデルだ。しかし、かなりうるさくなり、録音がラジカセやミニコン向けなのではと思えてきた。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
左にピアノ、そして包み込まれるようなシンバルとハイハットの響き。聴衆のざわめきすらが美しく聞こえる。

●ATH-AD10
エアーシリーズの上位モデル。AD5との価格差は2万4000円。イヤーパッドにエクセーヌを使っている。このかけ心地が素晴らしい。コードはしなやかな布巻き。フランジはアルミニウム製だ。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
差はほとんど感じられない。このディスクの録音された情報はすでにAD5で引き出された感じだ。さらにボーカルが耳障りになってきた。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
ピアノの音の芯が出てきた、シンバルとハイハットはさらに華やかに音の微粒子が飛び交うように聞こえてくる。どんどんボリュームを上げたくなる。

●ATH-W1000
同社のハイエンドモデル。ヘッドフォンアンプとペアになるヘッドフォン。北海道産のアサダ桜を削りだして作ったハウジングが美しい。振動板にはチタンを採用。フレームはマグネシウム。イヤーパッドには人工皮革のクラリーノを使っている。密閉式でステレオ標準プラグ。

First Love/Utada Hikaru
Automatic-Album Edit-
さらに隠されていた音を鮮明に暴き出し、究極のハイスピードサウンドになる。クラシックな外見からは想像できない音を聞かせてくれる。全ての音が耳に突き刺さるようだ。

Waltz For Debby/Bill Evans Trio
My Foolish Heart
すべての楽器の音がリアルになった。特にピアノが素晴らしい。シンバルとハイハットもスピード感があって、しかも耳に優しい。録音時のノイズまで聞こえてくるが気にならない。あのディスクのこの部分はどんな風に聞こえるのかと、次々とCDを聞いてみたくなる。

ヘッドフォンの情報量は予想外に多く、スピーカーで音楽を聞くのとはまた違った楽しみ方があることを再確認できた。やはり高価なモデルほど音質は向上するが、ある一定レベルを超えると、その差は微妙な違いになってくることも分かった。それでは今度は『iPod』に接続して聞いてみよう!

[『iPod』のポテンシャルを引き出せ!]

曲はWaltz For Debbyの1曲目、My Foolish Heartを聞くことにする。今回はMP3方式で録音している。

●『iPod』純正ヘッドフォン
不思議なことにリファレンスシステムで聞くよりも、ざわめきなどが感じられライブの雰囲気が出てきた。シンバルとハイハットの響きが少なく、ベースの音はほとんど聞こえない。

●ATH-EM7
ピアノの音に芯が出てきた。再生帯域は純正ヘッドフォンと変わらない感じだ。全体的に音が硬いのでリラックスして聞けない。まだ新品なので、エージングが必要なのだろうか。

●ATH-M40fs
CDに比べるとシンバルとハイハットの響きが寂しい感じだ。ベースの音が聞き取れるようになったが全体的にがさつで、ピアノの音質も良くない。これはMP3で録音したせいなのだろうか。

●ATH-AD5
目の前が開けたかのように情報量が増えた。ライブの感じが非常に良く分かる。シンバルとハイハットの響きもかなり良くなった。ピアノの音にも柔らかさが出てきた。

●ATH-AD10
さらに雰囲気がビレッジバンガードらしくなった(行ったことないけど)。ピアノの音がいままでで、一番きれいに聞こえる。CDとの差はかなり縮まった。

●ATH-W1000
シンバルとハイハットの響きがリアルになった。すべての音質が向上した。正直言って、このグレードのヘッドフォンを『iPod』に使っても音質の違いは感じられないのでは、と思っていたのだが杞憂にすぎなかった。MP3もなかなかやるものである。他の曲を数曲、聞いてみたがボーカルの息づかいまで聞こえる圧倒的な高性能に驚いた。弦楽器の響きも素晴らしい。

[最高の環境でヘッドフォンの音質をチェック!]

こうして聞き比べてみると『iPod』自身と同じぐらいの価格のヘッドフォンを使っても、その実力を引き出せることが分かった。10万円ぐらいのミニコンポでCDを再生するより、『iPod』+ATH-AD10のペアの方が音がいいと断言できる。私自身の今回のベストバイはATH-AD5である。実売8800円ながら上位機種と同じ構造を持ち、その性能もかなりのものだ。私は耳あてエクセーヌがとても気に入ったので、あと2500円出して、ATH-AD10用の耳あてを部品で注文して交換して使いたい。

耳かけ型やインナーイヤータイプは確かに小型軽量だが、これで音楽を聞くと 『iPod』の実力の50%ぐらいしか引き出せないような気がして、とても勿体ないのだ。電車の中でデカヘッドフォンを使うのに気後れするなら、自宅専用にデカヘッドフォンを使ってみてはどうだろう。聞き飽きた音楽が新鮮なものに感じられるに違いない。


 


DIME検証工房 TOP PAGE