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ゴン川野 Selection
●ヘッドホン重量=約360g(電池別)。高性能24ビットデジタル信号処理。50mm口径のヘッドホンユニットで迫力の低音再現。ヘッドホンのイヤーパッドの角度により自動的に電源をON/OFFできる。

第2回(完結編) サラウンドでゲームが100倍楽しくなる! 02.21 UP
第1回 どんな部屋でもホームシアター化計画 01.14 UP


 


[憧れのホームシアター]

以前オーディオ誌の仕事をしていた頃のことである。AVメーカーの新製品を取材するため、そのメーカーの視聴室によく行った。まず窓がない。完全防音設計なので、分厚い扉を閉めるとシーンとして幻聴が聞こえるほど静かなのだ。照明は無段階で明るさが調整でき、その中にいると外の天気も時間もわからなくなる。何時間でも音楽を聞いたり、映画を見たりできる部屋だった。広さは最低でも20畳ぐらいで、広いところではミニシアター並みの所もあった。

実は小学館にも、ウン千万円をかけて作ったAVルームがある。床と壁と天井を完全にフローティングさせた構造で、ルーカスフィルムが定めたTHXの基準を満たす、超贅沢な部屋である。ここにオーディオ機器を持ち込んで聞いてみると、普通の部屋で聞くのより10倍ぐらいいい音がするのだ。何しろメーカーの人間が新製品を持ってきて、聞いてみて音が良くてビックリするぐらい。きちんと設計されたAVルーム、ホームシアターと言い換えてもいいが、システムの実力を100%以上引き出すパワーを持っている。

つまり何がいいたいのかと言えば、ホームシアターは部屋で決まるということ。私も6畳の和室にスピーカーを8個もセッティングしてドルビーサラウンドで映画を見ていたこともあるが、音はしょぼかった。なぜなら部屋が狭いのでどうしても小さなスピーカーしか置けないし、それを鳴らすためのAVアンプもピュアオーディオ用と比べれば子供騙しのシステムだったからだ。さらに部屋の音響特性も良くなかった。

それでも、初めてサラウンドを体験したときは、スゲーと思ったものだ。特に効果抜群だったのは意外にもTVコマーシャルだった。さすがに制作費がかかっているだけあって、音に包まれたり、移動感があった。あとはLDプレーヤーで見る映画に、始まったばかりのWOWOWも良かった。引っ越しを機にスピーカーは3個に減らした。コンパクトなボーズの3Dシステムにしたのだ。なぜなら、クモの巣のようにスピーカーケーブルをはい回らせ、何個もスピーカーを置いてまでして、サラウンドにする必要を感じなかった。というのは負け惜しみで、ほんとはホームシアター専用の部屋を確保できなかったのだ。アメリカのように独身でも何部屋もあるアパートメントに住むような生活環境であれば、ホームシアターは現実的だが、日本では部屋の問題でなかなかサラウンドは難しいのではないだろうか。

最近になって、超小型スピーカーと専用AVアンプを組み合わせたミニホームシアター用の製品が各社から発表された。さらに低価格な液晶プロジェクターが登場。大画面のPDPの価格も年々、下がってきてる。ホームシアター新世紀が近づいて来ているのだ! 私も、もう少しで今年のDIMEトレンド大賞間違いなしの『SONY KDE-P50HX1』を購入して、今日からベガシアターのある暮らしを送ろうと思ったのだが、地上波デジタルの実験放送が始まるまで、待つことに決めた。本音を言えば、50インチのPDPよりも、BARCOの3管式フロントプロジェクターで100インチの大画面を楽しみたいのだ。そのためには、引っ越すか、同社が最短焦点距離の短い日本専用の新製品を出してくれることが前提だが…

[サラウンドだけでも夢を実現させよう!]

ホームシアター以前の問題として、我が家では大きな音が出せない。以前、住んでいたのは一戸建ての借家だったので、出力730W+730Wのパワーアンプのピークメーターがレットゾーンに入るくらいの大音響を出しても、どこからも文句は出なかったのだが、今住んでいるのはアパートの2階だ。ちょっとドカティのキャブレターの調整のためにエンジンを吹かしたぐらいで、すぐに隣近所の親父が怒鳴り込んでくるような環境である(ちなみにドカティの排気音はノーマルでは非常に静か)。

とくに夜間はK19がアメリカの領海に侵攻した時のように深く静かに過ごさなければならないのだ。そこで思いついたのがヘッドホンである。これなら深夜に『ナヴァロンの要塞』を見ても何の問題もないはずだ。さらにドルビーヘッドホンというありがたいものがあるらしい。

ドルビーヘッドホンがあれば、何とヘッドホンでドルビー5.1chのデジタルサラウンドが聞けるのである。ええ、そうじゃないの? すみません、間違い、間違い。ドルビーヘッドホンというものはなくて、ドルビーヘッドホン用の回路を組み込んだDVDプレーヤーに普通のヘッドホンを接続するだけでいいわけ。でも、それじゃあDVDしか見られないじゃん。

紆余曲折の末、パイオニア『SE-DIR1000C』が世界で初めて、ドルビーヘッドホン機能を搭載したデジタル赤外線伝送のワイヤレスヘッドホンであることが判明した。これなら、DVD以外のソースでもドルビーサラウンドが楽しめるのだ。さらに凄いことに「ドルビープロロジックII」を搭載。なにが凄いって、これを使えばビデオや、TV放送、ゲームソフトなどの普通のステレオソースをサラウンド音声に変換できるのだ。もちろん、まっとうなドルビーデジタルに加え、DTS、ドルビーサラウンド、6.1chのドルビーサラウンドEXやDTS-ESなど、最新のサラウンドフォーマットに対応しているので、どんな新作映画が来ても問題ない。

[接続は気が抜けるほど簡単だ]


Photo 01

Photo 02
価格はオープンだが、楽天でチェックすると3万9800円でゲットできる。ウォー注文だ! 意外とデカイ箱から製品を出して、速攻で記念撮影(photo 01)。デザインは10年前のミニコンのようでメカメカしており、子供っぽい感じだ。接続はデジタルオンリーなら、光ケーブルを1本つなぐだけでいい。超シンプル。アナログ信号も聞きたいので、私はAVアンプのモニター出力も接続しておいた(photo 02)。





Photo 03

Photo 04
あとは電源スイッチを押すだけ。するとこんな感じでインジケーターが点灯(photo 03)。オオッ何か凄いことがおこりそうなランプの数だ。実は「INPUT」以外は自動的に設定されるので、触る必要はない。光ケーブルをつないだDVDプレーヤーで見るときは「DIGITAL」、それ以外は「ANALOGUE」を選べばいいのだ。下の「LEVEL」というのは有線でヘッドホンを接続するときに使うボリュームで、ワイヤレスヘッドホンの音量調整は当然、ヘッドホン側にある。本体は充電スタンドにもなる。このようにハンガーにヘッドホンをかけて専用ケーブルを接続すれば8時間充電で約20時間の使用ができるのだ(photo 04)。

では、DVDプレーヤーのデジタル出力を使って、映画を見てみよう。いつもは『ブレードランナー』を見ることにしているのだが、先日、製品を借りて視聴するために入れたまま忘れて返却したどこかにいってしまった(泣)。イラストレーターのウズマキングに借りた『スパイダーマン』を見よう。これならドルビーデジタルの5.1chサラウンドである。まず、デジタル出力とアナログ出力では音のクリアーさが違う。さすがデジタルである。昔のワイヤレスヘッドホンは電波を使っていたので音が悪くてとても使い物にならなかったが、『SE-DIR1000C』はさすがにそんなことはない。高音のクリアーさに加えて低音もデジタル出力の方が迫力がある。とにかくDVDの場合は光デジタル接続で見るに限るのだ。

期待のサラウンド効果であるが、確かに凄い! いままでのヘッドホンとは次元が違う。そもそもヘッドホンの音は頭の中に定位する感じで、非常に不自然なのだが、ドルビーヘッドホンの場合は、それが頭の回りに音が広がるのだ。『SE-DIR1000C』は音の広がりを3段階から選ぶことができる。もっとも広がりのあるDH3というポジションにすると、かなり頭から離れた位置で音が聞こえる。しかしセリフにも響きが加わりちょっと不自然だ。アクション映画などには最適だが、セリフが多い映画の場合はDH1がお勧めのポジションだ。

深夜でも大音量という願望も満たされた。デジタル方式なのでボリュームを最大にしても音が歪まない。音量だけは映画館と同等までアップできる。予想外の効果としては、普通の音量で聞いてもスピーカーでは聞き逃してしまった細かい効果音がしっかり聞こえて来た。青春映画臭い『スパイダーマン』はすぐに飽きて、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『PREDATOR』に切り替える。
ほとんどがジャングルの中を歩くという設定なのだが、主人公が歩くと木の枝がこすれたり、風で木が揺れたり、いろんな細かい音に包まれて、ほんとうに密林の中にいる気分になれる。映画には驚くほど多くの音が録音されているのだが、スピーカーで聞くとかなりそれがスポイルされていることがわかった。
もちろんアクションシーンでは、バルカン砲の連射音などもリアルに再現され、気分爽快。ただし、体で感じる低音は再生できないので、スーパーウーハーだけは使った方がいいだろう。


Photo 05
1つだけ、気になることと言えば、予想はしていたのだが部屋を暗くしたときに『SE-DIR1000C』のインジケーターが明るすぎることだ。かといって見えない位置に置くと赤外線方式なので、音が聞こえなくなってしまう。この表示はON/OFFを可能にするか、明るさセンサーを付けて自動的に照度を落とすようにして欲しいものである(photo 05)。







 


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