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[10倍ズームはそんなにいいのか?]

運動会デジカメは10倍ズームの時代に突入したという。銀塩写真の時代では、10倍といえば一眼レフカメラに500mmの望遠レンズを付けて撮影するわけだから、そう簡単にはいかない。もちろん三脚か一脚が欠かせない。それがデジカメなら、手ブレ補正機能まで内蔵して、驚くほどコンパクト。手持ち撮影も夢じゃない。さらに連写機能も、私が持っているNikonF2のモータードライブよりも高性能になっている。そんなデジカメが10万円以下で買えるようになったのだ。これはうかうかしてはいられない。
と思ったのだが、冷静になって考えれば、ウチには子供がいないので、運動会で頑張る我が子の姿を撮るチャンスはないのだ。そして広角レンズ大好きの私にとって400mm相当の望遠レンズを使う機会はほとんどないのである。百歩譲って、10倍ズームを購入するとしたら広角側は28mmであって欲しい。ワイドコンバージョンレンズを使って28mmというのは願い下げである。こうして探してみると、そんなデジカメは存在しないのだ。唯一気になるのはミノルタ『DiMAGE A1』である。7倍ズームであるが28〜200mmで開放絞りはF2.8-3.5である。さらにボディ側には、ハイテク満載。これは近いうちにチェックしてみたい。
[やっぱり使えるのは広角レンズ!]


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それはさておき、一般的に使うのであれば、私はやっぱり広角レンズの方が使用頻度が高いのではないかと思う。まず、海外旅行に行ったとき広大な風景や歴史的建造物などを撮ろうと思うと広角レンズが欠かせない。特にヨーロッパの建築物はやたらデカイので35mm程度はかなり厳しいだろう。アメリカやオーストラリアも雄大な景色に出会うことが多いので超広角レンズが欲しくなる。もちろん日本でも北海道ツーリングには、Nikon『COOLPIX5000』にワイドコンバージョンレンズを装着した19mmが大活躍するのだ。
例えば、夕焼けの網走湖畔(photo 01)。刷毛で書いたような雲が印象的だった。これだけ広い範囲で空を入れるには広角レンズが欠かせない。よく見ると水平線が右上がりになっている。フジフイルムのFinePixであれば、液晶モニターに方眼のような罫線を出せるので、これで水平が出せるのだ。この機能、他社もぜひ搭載してもらいたいのだ! 一眼レフカメラには方眼マットという名前でオプションのスクリーンがあったのだが…。
それから2番目はご存じ小樽の運河である(photo 02)。遊歩道にガス灯がともりますますレトロチックになった。左に現在の街並み、右に倉庫を入れようとすると広角レンズが必要だ。まあ、普通の構図にしても標準レンズを使うと倉庫の建物1個分ぐらいしか入らないので、運河の奥行きのある感じを出すのは難しいだろう。3番目はありがちな記念撮影(photo 03)。ここでは人物のかわりにバイクが写っているが、手前に人物を大きくいれると標準レンズでは、風景の雄大さが出せない。風景を入れようとして下がっていくと人物が小さくなる。広角レンズがあれば人物を入れつつ、この画像ではバイクだが、雄大な風景も無理なく収めることができるのだ。
広角レンズなら、ピントの合う範囲が広いので、絞り込んでやれば手前から無限大まで全部にピントが合わせられる。これをパンフォーカスと呼ぶ。つまり横着してもピントが結構合ってしまうのだ。これに較べて望遠レンズはピントの合う範囲が非常に狭く、しかも写る範囲が狭く、空などが入り込まないため、よほど天気が良くないと絞り込めない。つまり、いかに手ブレ補正機能が合っても撮影の難易度は高いのだ。
[コンバージョンレンズを使ってみよう]

それでは『COOLPIX5000』にワイドコンバージョンレンズを付けると、どのくらい画角がかわるのか試してみよう。まず、豪華なランチプレートを撮影。人物を入れても余裕で広い範囲が写るのが超広角の19mmだ(photo 04)。これが広角28mmになるとプレートがちょっと切れてしまう(photo 05)。さらに35mmになるとプレートは完全に見えなくなる(photo 06)。これは比較のために同じ位置から撮影しているが、実際は自分が下がればいいのだが、狭い室内で集合写真を撮る場合などは、広角レンズが役に立つことが分かると思う。

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今度は原宿表参道の交差点の場合。左にラフォーレ原宿、右にGAPが見える。これを19mmで撮るとこうなる(photo 07)。余裕で左右の建物と人物が収まる。建物が内側に向かって傾いて見えるのは、超広角レンズの歪みなので仕方がない。35mmだとラフォーレ原宿のビルの上が切れてしまう(photo 08)。建物は垂直になりあまり歪みを感じなくなった。そして85mm(photo 09)。別名ポートレートレンズと呼ばれる画角だけあって、人物が自然な感じに見える。建物の歪みも最も少ない。今度は3倍望遠になるテレコンバージョンレンズを使ってみよう(photo 10)。これで300mm相当の望遠になった。絞りはF4.6とそんなに明るくないのだが、バックは少しボケて、人物が引き立ってきた。雑誌のグラビア写真では、もっと明るい望遠レンズを使ってバックを美しくボカしていることが多い。「COOLPIX5000」の液晶モニターを見ながら、このコンバージョンレンズを使うことは、かなり難しく、本来なら三脚を使いたいところだ。

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Photo 09 |

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最後に同じぐらいの大きさになるように、広角レンズと望遠レンズで人物を撮影してみよう。まず28mmで撮影した場合(photo 11)。絞りはF2.8と開放だが、バックまでハッキリ写っている。そして広角レンズの歪み効果で、なんだか顔が膨らんでいるように見える。つまりポートレート撮影に広角レンズは適していないのだ。これを300mmで撮影する(photo 12)。絞りはF4.6だが、バックはきれいボケてくれた。まあうるさい人が見れば、二線ボケだから美しくないという意見もあるだろうが、広角レンズで撮るよりは、ズッと美しいことは間違いない。撮影する方は、普通に撮るとものすごくアップになってしまうので、モデルからどんどん離れなくてはならない。離れたところで、ハイ〜、もう少し右行ってとか指示を出さなければいけないので、旅行先でこういう撮影をするのは結構大変である。っていうか、旅行先でわざわざバックをボカして、どこだか分からないような写真を撮る必要はないわけか…

Photo 11 |

Photo 12 |
今回はコンバージョンレンズを使うことで、10倍ズームデジカメの気分を味わったのだが、実はこれがニコン製は結構、高価なのだ。例えば3倍のテレコン『TC-E3ED』は2万9000円もする。これにフードとアダプタリングを入れると3万円突破。そしてワイドコン『WC-E68』は2万2000円である。両方買ったらライカレンズのパナソニック『LUMIX DMC-FZ2』が買えるやんか! という突っ込みも入ると思う。しかもテレコンを付けるとカメラ自体もこんなに大きくなってしまうのだ(photo 13)。ちなみにワイドコンを付けても、こんな感じになる(photo 14)。まあ、これが画質最優先のニコンのポリシーなので、私は納得しているのだが、確かに誰にでもお勧めというわけではない。しかし、ワイドコンに関しては、もしニコンの一眼レフデジカメで、同じ画角を得ようとすると『Nikkor ED 14mm F2.8D』という超広角レンズが必要になり、レンズだけで22万円もするのだ。その1/10の価格でお手軽に19mmが使えるので、私は『COOLPIX5000』が手放せないのだ。

Photo 13 |

Photo 14 |
次回は、専用ストロボの使いこなしについて考察する予定である。
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