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見えているのに、見えていない……なんて状況がよくある。
今回、増刊号の売れ行きを見るために、たくさんの書店を回ったのだが、改めてそれを感じた。
雑誌や本が店頭に並べられるとき、最初は「平積み」という状況が多い。
表紙を上に向けて台に並べられる置き方だ。
多くの人の目に触れるから、買う買わないは別として、手に取られる機会も多い。
商売柄、私も本屋に入ると、何が平積み(平置き)にされているかを必ずチェックする。
ところが、何冊か売れてきて、冊数が少なくなってくると、(もしくは最初から少ししか配本されないと)「棚ざし」という状態になる。
お客さんに表紙を向けて「棚ざし」されているのあれば、まだいいのだが、背表紙しか見えない置き方になると大変だ。
まず、手に取らなくなる。
それに見つけにくくなる。
私自身、そういう置き方をされている本を引っ張り出して、立ち読みするということがない。
こうなると、ほぼ売れないことが決まったも同然の状態だ。
今回も、何冊か背表紙を向けて棚ざしされている増刊号を見た。
背中で「買ってくれ〜、買ってくれ〜」と訴えてはいるものの、その声はお客さんに届くはずもない。
お客さんの目には映っていても、まったく見えていないのだ。
ちょっと悲しい気分になる。
とはいえ、全部を自分で買うわけにもいかない。
仕方なしに店を出る。
松本清張に『鬼畜』という作品があり、そのなかで父親が実の子を置いたまま逃げようとするシーンがある。
父親を良心が責める。
正にそんな気分(?)。
みなさん、書店に棚ざしされている「ダイム増刊 ビジネスモバイルブック」があったら、愛ある380円で、どうか救ってやってください。
(2005年4月1日)
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