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先日、某量販店に行った。
すると、ある男女が、にらみ合ったまま動かないでいる。

「何があったか知らないが、何もこんなとこでモメるこたぁないだろ」と思ったものの、意外と家電売り場で、こういう光景を見かける。
うちの知り合いにも、こんな例があった。

もう15年以上も前の話になる。
私の友達とその彼女は、ずいぶんと長いこと付き合っていて、「もうそろそろ結婚か?」といった感じだった。

彼女は、いわゆるキャリア志向。
彼は何度も「一緒に暮らそう」光線を浴びせるのだが、どうも彼女のほうは煮え切らない。

その光線を出す度に、二人は一悶着あるらしく、いつのまにかそういう話もしなくなっていた。
とはいえ、別れ話が出るわけでもない。
互いに仕事が安定すれば、一緒になるだろうと私も考えていた。

ある日、ふたりは某量販店に行った。
彼女が彼に「見たい物があるから付き合って」といわれたのだ。

連れて行かれたのは家電コーナー。
彼は、あることを思い出した。

彼女のアパートは、あと半年と少しで更新だった。
「ひょっとして、これは、『これをきっかけに、一緒に住むことになるだろうから、二人で使う家電でも見て回ろうよ』ってこと?」
彼の心臓は高鳴った。

でも、それは彼の早合点だったようだ。
「ねぇ、今度の更新を機会に引っ越そうと思うの。こういうの、詳しいでしょ? ひとり用の冷蔵庫、どれがいいと思う?」

「彼女には、自分と一緒に暮らすという選択など微塵もない……」。
少なくとも彼は、そう受け取った。

当然、それだけが原因ではないのだが、何か月かして二人は別れた。
私を含め、誰もが驚いた。

「あれは、私の『一緒に暮らそう!』っていう逆説的なアプローチだったのよ。男なら、あの時、『二人用のヤツ、買おうよ』って、言わなきゃ、やっぱり」
数年後に彼女は酒の席で私にそんなことを言っていた。

男のほうは、既に結婚し、子供も生まれて幸せな生活をしていた。
彼女の言葉は、まったく信じられなかったけれど、少しはホントが混ざっているのかもしれない。

彼女のほうも、いまは可愛い子供がいて、いいお母さんをやっている。
もちろん仕事もバリバリだ。

私がこういう仕事なので、時折、家電のことを聞いてくる。
しかし、いつも要領を得ない答ばかりなので、怒るのだ。
「男に家電のことを尋ねるな」……このことを、彼女はまだ学習できてないんだよなぁ。

う〜〜ん、今回は(昔の製品との比較で)役立つ洗濯機の話を書こうと決めていたのに、またもや脱線して、個人的な昔話を書いてしまいました。
役立つ情報は、ほかのコーナーでどうぞ! (もうしわけない)

(3月17日)

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